ブラジルはミナス・ジェライス州生まれのシンガー・ソングライター、レオナルド・マルケス。地元ミナスの若者に絶大な人気を誇るバンド、トランスミソールで活動するほか、自身でもソロ・アルバムを2枚発表。前作は日本盤としてもリリースされ、来日ツアーを敢行。キセル、ツチヤニボンドといったミナス音楽に魅せられる日本のバンドとスリーマン・ライブを行うなど、ブラジル音楽ファン以外にも鮮烈な印象を残した。またロサンゼルスのヴィンテージ楽器店で働いたことを契機にアナログ機材のレコーディングに魅せられ、ミナスで自身のスタジオ 「イーリャ・ド・コルヴォ」 を経営。ヴィンテージな音を求めるブラジルの若手ミュージシャンの録音を多く手掛けるなど、レコード・プロデューサーとしても八面六臂の活躍を見せている。
そんなレオナルドの三年ぶりとなるソロ・アルバムが本作 『アーリーバード』 だ。ジョン・レノンやエリオット・スミス、ボサノヴァの代名詞アントニオ・カルロス・ジョビン、そして地元ミナスの伝説的な音楽ムーヴメント 「クルビ・ダ・エスキーナ」 諸作に着想を得て、楽園のような島でリラックスした雰囲気のなか作曲、ほとんどの楽器を自ら演奏し、ヴィンテージ機材で録音したという全9曲。エバーグリーンなメロディと、宅録ならではのパーソナルな距離感、ヴィンテージ機材のドリーミーな音色が織り成す世界は、ただただ心地よく、まるでまどろみの中にいるかのようだ。
アートワークは本作制作の過程で影響を受けたと語るジョビンのA&M諸作へのオマージュだろう。ジョビンが 「究極のヒーリング・ミュージック」 なら、本作はさしずめ 「究極のヒーリング・ポップ」 とでも言うべきか。ジョビンやクルビ・ダ・エスキーナ・ファンはもちろん、今年大きな話題となっている 「ブライアン・ウィルソン×カエターノ・ヴェローゾ」 と称されるチン・ベルナルデス、さらにはジョン・レノンやエルトン・ジョン、エリオット・スミス、ジョン・ブライオン、マック・デマルコのファンにまで推薦したいブラジリアン・シンガーソングライターの大傑作だ。
https://youtu.be/RJgJXeZKLS0
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