本作の音源をスタジオ・アーカイブから発見した際、Attarazat Addahabia や、そのバンドについて知るものはいなかったのだという。モロッコに赴き調査をはじめてみると、このバンドの数奇な運命が次々に明らかにされていった。サッカーチームの一員としてフランスに渡り楽器を調達していたこと、足りない楽器は自身たちで制作していたこと、モロッコを代表する音楽であるグナワを再発見させるべく音楽を始めたこと、そしてレコーディングされたにも関わらず、なぜかそのアルバムはリリースされなかったこと...。本作はそんな貴重なバイオグラフィーとともに、Attarazat Addahabia とそのバンドの、これまで世に問われることがなかったお蔵入り音源を世界で初めてリリースするものである。
彼らの音楽のベースとなっているのが「グナワ」である。モロッコの重要な音楽ジャンルのひとつであるグナワは、かつてローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズも魅せられたことでも知られている。鉄のカスタネット「カルカベ」、ボディが皮張りの低音弦楽器「ゲンブリ」、そしてコール・アンド・レスポンスの応酬により聴くものをトランス状態に導く音楽で、今でもグナワによって悪い精霊を取り払うといったことが実際に行われているのだという。そんなグナワの呪術性に加え、サハラ以南のアフリカ音楽を彷彿とさせるファンキーなエレクトリック・ギター、緻密にレイヤーされたパーカッション、そして女性のバックボーカルが結合。その唯一無二ともいえる音楽性はもちろんだが、何よりも当時の熱気がそのまま真空パックされたような、迸るエネルギーに圧倒されること必至である。
HABIBI FUNK をはじめとするレーベルの好事家的ともいえるリイシュー・ワークによって解明が進みつつある北アフリカの音楽だが、まだこんな音源が残されていたとは驚きである。アフリカ音楽ファン、中東音楽ファンはもちろん、20世紀ポピュラー・ミュージックのミッシング・リンク的作品として、全ポピュラー・ミュージック・ファンにレコメンド!!!!!!
http://habibifunkrecords.bandcamp.com/album/habibi-funk-011-al-hadaoui
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