今回の未発表音源はイヴァン・コンチのプライベート・アーカイブから発掘された音源とのこと。ジョーヴェン・グアルダの雄ホベルト&エラスモ・カルロスの楽曲 "As Curvas da Estrada de Santos" をカバーした side-A 、そしてスペーシーなサイケフォーク “Zé e Paraná”を side-B に収録している。
60年代後半よりスタジオ・ミュージシャンとして活躍していたジョゼ・ホベルト・ベルトラミ、アレックス・マリェイロス、イヴァン・コンチのオリジナル・アジムス3人は、当時ホベルト&エラスモ・カルロスのバッキングも務めていたのだという。この“As Curvas da Estrada de Santos”は彼らによる 1969 年の大ヒット曲で、のちにエリス・レジーナも歌ったポップ・バラード調の楽曲だが、今回発掘されたアジムスのバージョンは、仄暗くもメロディアスなサイケジャズにアレンジされている。ハモンドオルガン、フェンダーローズ、生ピアノを駆使したベルトラミによる常軌を逸したアンサンブルとイヴァン・コンチのタイトなドラムはもちろん、アレックス・マリェイロスがトレードマークともいえるエレベではなくコントラバスを演奏しているのも聴きどころである。
一方の “Zé e Paraná” はアジムスの1stアルバムの冒頭曲 "Linha Do Horizonte" の作曲者でもあるジョアン・アメリコことパラナーに捧げた楽曲で、ベルトラミがコンピングしつつパラナーがギター、そして物憂げなスキャットを聴かせるスペーシーなサイケフォーク・チューン。アジムスの典型的なイメージであるジャズファンク、フュージョンとは異なるスタイルだが、何よりもその楽曲の良さ、物悲しくも力強い演奏に心を打たれる激良チューンである。
ともにベルトラミのハウススタジオで 1973-75 年あたりに録音されたものとのことで、のちのスタジオ・アルバムとは異なり、お世辞にも良い録音状態とは言えなかったが、今回のリイシューに際し細心の注意を払いリマスターを行ったとのこと。インストゥルメンタル・バンド=アジムスがどのようにしてその音楽性を発展させ、ブラジル音楽史上もっとも重要なバンドのひとつにまでなったのか。そのプロセスを知るうえで欠かせない一枚であるのはもちろん、単なる未発表音源とは一線を画すその極上の内容は、ジャズ、フュージョン、レアグルーヴといった旧来のアジムス・ファンはもちろん、サイケ・ファンまでを虜にすることだろう。
https://azymuth.bandcamp.com/album/as-curvas-da-estrada-de-santos-z-e-paran-demos-1973-75
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