妥協を許さないピアノのフレーズとジャジーなアレンジ、その時々の一流ミュージシャンを従えた抜群の演奏で、どのアルバムも非常に人気の高いペルー出身のサルサ・ピアニスト、アルフレッド・リナレス。2000年代にはクアンティックにフックアップされ、一躍世界的に知られることになった名手である。
当時のリナレスはペルーから養子縁組のメデジンに戻ったばかり。石油危機によるレコード資材高騰のため、FUENTES や SONOLUX といったコロンビアのレーベルはまだ無名だったリナレスと契約したがらず、リナレスはペルーで行ったセッションだけでなく、コロンビアで行った録音をパッチワークのように加えるなど工夫。結果的にはそれが奏功し、この時期に録音したベスト・トラックのみが収録されたキラーチューン・オンリーのアルバムに仕上がり、INS レーベルから『MI NUEVA RITMO』としてリリースされることになった。
高らかな金管も印象的なマンボロック "Mi Nuevo Ritmo" で幕を開け、ハイテンションのサルサ・ドゥーラ "Arrollando"、弾丸のようなグルーヴが最高すぎる "La Musica por Dentro"、フルートをフィーチャアしたラテンソウル "Amor"、「ワルな音楽を止められない!」と宣言する "La Musica Brava"、カーニバルを思わせるカウベルのアレンジも印象的な "Salsa y Sabor"、さらにはハンドクラップと一糸乱れぬホーンズで畳みかける中盤以降が熱すぎる "Ritmo Caliente"、リナレスの代名詞ともいえるデスカルガ・ラテンジャズ "Alma y Sentimiento"という壮絶なラストまで、息つく暇は一切なし。例えるなら同時期のレイ・バレットやウィリー・コロンのような最高級のサルサ・アルバムに匹敵する濃密さと、リナレスならではのソリッドなアレンジ、南米らしい祝祭性が加わったような、最強のサルサ・アルバムと言えるだろう。
https://vampisoul.bandcamp.com/album/mi-nuevo-ritmo
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