2015年にデビューし、その後MOBOアワーズ 2015【ベスト・ジャズ・アクト】をはじめ数々の賞を受賞、今では英国ジャズ・シーン新世代の旗手としての立場をすっかり確立させたサックス奏者ビンカー・ゴールディングとドラマーのモーゼス・ボイドによるデュオ、ビンカー・アンド・モーゼス。2020年末にはファン直販売限定のライヴLP盤『エスケープ・ザ・フレイムス』を突如リリースし、入手困難となったことが記憶に新しい。そんな彼らが、2018年リリースのサード・アルバム『アライヴ・イン・ジ・イースト?』以来となるスタジオ・アルバム『フィーディング・ザ・マシーン』を、2022年2月にリリースすることが決定した。
スティングやデヴィッド・ボウイ、ポール・マッカートニーなどを手掛けたグラミー受賞プロデューサー、ヒュー・パジャムを迎え、ピーター・ガブリエルのリアル・ワールド・スタジオにてレコーディングされたという今回のアルバム。さらに、ジャズ・シンガー、ザラ・マクファーレンやサックス奏者ダンカン・イーグルスとの活動で知られるイギリス人若手ベーシスト、マックス・ラザートがテープ・ループと電子楽器で参加している。マックスはビンカーやモーゼスと10年以上にわたるコラボレーション経験があり、世界ツアーにも同行している。
新作は、これまでの作品とは異なるものにしたいと考えながらも、ビンカー・アンド・モーゼスの持つ強いアイデンティティは維持しつつ、何か新しくワクワクするものを求めていたという二人。過去作のように複数の楽器を取り入れることはせずに、サックスとドラムのサウンドをより拡大することを意識したことで、マックス・ラザートに白羽の矢が立った。ビンカーいわく、「ビンカー・アンド・モーゼス史上最も孤独なアルバム」に仕上がったという今作には、実はダンス調のトラックも収録されている。おそらくそれこそが、二人が求めていた「異なる」というコンセプトで、アルバム全体を通してアンビエントやエクスペリメンタル・エレクトロの領域に誘いながらも、ビンカー・アンド・モーゼスのルーツであるヘヴィー・フリー・ジャズの影響も感じさせる内容となっている。
まさに彼らの本来のサウンドを損なうことなく、新しいステージへと進み出したビンカー・アンド・モーゼス。ライヴにも定評のある彼らだけに、新作を生で聴ける日も待ち遠しい。
■Binker Golding: soprano and tenor saxophones
Moses Boyd: drums
Max Luthert: live tape loops and electronic effects
https://binkerandmoses.bandcamp.com/album/feeding-the-machine
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