アルゼンチン・ロックを代表する名手リト・ネビアが1979年に創設したレーベル MELOPEA。はじめはネビア自身のアルバム・リリースがほとんどだったが、次第にネビア自身の好奇心、クリエイティビティを刺激するメジャーな音楽業界からサポートを受けづらいアーティストを手掛けるようになる。1980年代後半になるとアダルベルト・セバスコやアルフォンブラ・マヒカ、ソノーラ・デル・プラタといったタンゴやフォルクローレとジャズを融合するエクスペリメンタルな作品を多く輩出。またホルヘ・ファンデルモーレやシルビア・イリオンド、ルチョ・ゴンサレス&カルロス・アギーレをはじめ、南米全体に大きな影響を与えたウーゴ・ファトルーソら隣国ウルグアイの気鋭ミュージシャン、さらには98年のモノ・フォンタナ大名盤『CIRUELO』まで続々と重要作をリリース。のちのアルゼンチン音響派~ネオ・フォルクローレへと至る源流を作ったレーベルと言っても過言ではないだろう。そんなMELOPEA音源のなかから、アルゼンチンのDJバルバラ・サラサとブエノス・アイレス/ロサンゼルスを拠点に活動するDUBLABのアレハンドロ・コーエンが選曲監修したのが本作だ。
浮遊するシンセサイザーが奏でるジャングルのざわめきからパンパの寂寥、ラプラタ河を挟んで目と鼻の先にあるウルグアイのリズム=カンドンベを採用したトラックまで、独特の空気と得も言われぬ感性によってアメリカ大陸の最南端から放たれた11のトラックを収録。嬉しいことに多くの楽曲が初のリイシュー、CD時代にリリースされたものに関しては今回が初レコード化となる。コメディアのマルセロ・モギレフスキー、スピネッタ、モノ・フォンタナらを支えてきた名手でアレハンドロ・フラノフの兄としても知られるセサル・フラノフ、キケ・シネシ擁するアルフォンブラ・マヒカなどなど、実際に現在のアルゼンチン器楽音楽シーンで中枢で活動するミュージシャンの初期音源も多数収録し、4Pライナーノーツや貴重写真も付属と資料性もばっちりだ。MUSIC FROM MEMORY諸作をフォローするDJ/レコード・コレクター諸氏はもちろん、アルゼンチン音楽ファンも必携のコンピレーションと言えるだろう。
https://vampisoul.bandcamp.com/album/viento-sur
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