
ジョーヴェン・グアルダの時代にキャリアをスタートし、その後MPBの世界で活躍。フランコ、セリア、ペルフーミ・アズール・ド・ソルといったアーティストの作品に参加した作編曲家でピアニストのダニエル・サリナス。そんなサリナスの最高傑作と言われるのが本作『Atlantis』(1973)だ。
とりわけ本作を有名にしているのが、シュトラウスの名曲にインスパイアされたエウミール・デオダートの世界的ヒット曲「ツァラトゥストラはかく語りき」のジャズファンク・カバー「Straussmania」だろう。ドープなドラム&ベースに浮遊するエレピ、エレガントなホーンアレンジが絡み合うキラーインスト・ファンク! それ以外にもエルメート・パスコアルやドミンギーニョスの人気盤を連想させる「Baião」は、ブラジル北東部のリズム=バイアォンを流麗なストリングスも交えてファンキーインスト。さらにはドノヴァンのフォーキーチューン「Atlantis」のカバーなどなど、編曲家ならではのエレガントなアレンジと多彩にしてディープなグルーヴが横溢。アルトゥール・ヴェロカイ、アレトン・サルヴァニーニ、ホジェーリオ・ドゥプラといったブラジルの鬼才アレンジャー達の仕事にあらためて注目が集まっているだけに、本作のリイシューもまさに待望と言えるだろう。
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