
本作制作の起点は、スコットランド国立美術館で開催されたアメリカの現代風景写真家トーマス・ジョシュア・クーパーによる「The World's Edge」展からの依頼であった。 クーパーの30年にわたる5大陸間の旅は、大西洋を取り囲む基点となる場所や辺境まで、様々な場所を捉えたものだが、地球温暖化をはじめとする気候の変化により、その多くは 35 年以内に水没するのだという。 今回アンドリューはクーパーとともにフォース湾のインチコーム島を旅し、撮影の現場に同行。海の深い魅力から、花の象徴性や民俗学、離れたいという夢や留まることへの憧れまで、クーパーの作品の背後にあるアイデアが、本作制作のインスピレーションになったのだという。
エキゾチックかつノスタルジックなサウンドに注目が集まるサックス奏者、アラバスター・デプルームが参加した冒頭曲を筆頭に、聴くほどに没入してしまうような、儚くも美しいサウンドスケープはさらに深みを増し、まるで地平線のない海と無限の風景を見ているかのような気分にさせてくれる。アンビエントやポスト・クラシカル・ファンにも推薦の一枚だ。
https://andrewwasylyk.bandcamp.com/album/hearing-the-water-before-seeing-the-falls