軍事独裁政権の締め付けにより多くのミュージシャンが国外へと拠点を移すなか、サンパウロの地下スタジオで夜な夜なセッションを繰り広げ、当時の先鋭的なジャズ、そしてアフロブラジルのリズムを前衛的ともいえる手法で融合していったグルーポ・ウン。そんな彼らが、1STアルバムとされている『Marcha Sobre A Cidade』(1979) 以前の1975年に録音していたのが、本作『Starting Point』だ。
ゼ・エドゥアルド・ナザリオの轟くようなドラムソロ「Porão da Teodoro」で幕を開け、ビリンバウのスピリチュアルな独演からエレキベース、フェンダーローズ、ドラムが熱狂的に絡み合う11/8拍子ジャズロック「Onze Por Oito」へと突入。深海を回遊する無脊椎動物を思わせる自由形式の「Organica」を経由して、架空映画のサントラとして構想されたという「Suite Orquidea Negra」、ヴィブラフォンのマレットやノコギリの弓弾きなど独自のパーカッション・セットで知られたゼ・エドゥアルドの面目躍如ともいえる「Jardim Candida」、マラカトゥのリズムをベースにしたラストのサイケ・ジャズロック「Cortejo dos Reis Negros」まで。アジムスの1stやマルコス・ヘゼンヂ&インデックス、セーザル・カマルゴ・マリアーノ&CIA、そしてエルメート・パスコアルの諸作品など、70年代のブラジルを代表するインストゥルメンタル・アルバムと比べてもまったく遜色のない、まさに驚愕の内容だ。
しかし軍事独裁政権による保守的な空気もあり、あまりに時代を先取りしていた本作をリリースするレーベルは当時現れなかった。約半世紀の時を経てレロ・ナザリオが倉庫に保管していたテープを発掘、ついにその記録が明らかになる...!!
https://grupoum.bandcamp.com/album/starting-point
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