アルゼンチンはブエノスアイレスを拠点とするデジタル・クンビア~スロウテクノ総本山ZZK、もうひとつの新作は、なんとアンデスのフォルクローレを体現する大ベテラン=ルスミラ・カルピオの新作!!!
1954年南米ボリビアのポトシ県出身。チャランゴ奏者/歌手/作曲家として活躍するベテランで、ヨーロッパでもそのパフォーマンスが絶賛されるルスミラ・カルピオ。インディオの血を引くアンデスの伝統的なフォルクローレを体現する最重要人物である。2015年にはニコラ・クルース、エル・ブオ、チャンチャビア・シルクイートといったアーティストによるルスミラのRE-EDIT集『Luzmila Carpio Meets ZZK』がリリースされたが、今回はその続編ともいえる内容だ。プロデュースはそのアルバムでもリミキサーとして参加していたトレモルのレオナルド・マルティネリが担当。ラテンアメリカのフォルクローレを研究し、それらの共通点を見出すことにキャリアの大半をささげてきた人物である。
時には鳥のさえずりにもインスピレーションを得ているというルスミラの朗々とした発声が、アンビエントのテクスチャー、整然とプログラミングされたビートと融和し、優雅に飛翔する内容は、恍惚の境地。とりわけ、チャランゴやケーナだけでなく、ハーモニウム、ヴァイオリン、ボンボ、アルメニアのドゥドゥク、そしてアジア各国のパーカッションと、世界中から集められた個性豊かな伝統楽器の音色が、得も言われぬ色彩を与えている点は特筆だ。
サウンド面では若きアーティスト達のサポートを受け画期的ともいえる進化を見せているに対し、精神・政治・叙情的なレベルでは、これまで彼女が一貫して伝えてきた価値感を本作でも継続している。ラテンアメリカ全土の先住民コミュニティにとって灯台のような存在であり、その声は固有の美しい文化を持つにも関わらず、見過ごされがちな彼らにとって喜びを誇りを与えてきた。と同時に、伝統的に男性が独占した分野においても、女性の進出を後押しした点でも知られている。現代的なサウンドにより彼女の信念がより広く伝わることになれば幸いだ。
https://luzmilacarpio.bandcamp.com/album/inti-watana-el-retorno-del-sol
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