アルゼンチン生まれながらブラジル音楽に魅了され、アントニオ・カルロス・ジョビン、バーデン・パウエル、ヴィニシウス・ヂ・モラエスらとも交友を深めたギタリストのアグスティン・ペレイラ・ルセナ。そんなアグスティンが、南米の独裁政権時代を避けるように、70年代後半から80年代前半にかけてノルウェーをツアーしたのち、故郷ブエノスアイレスに戻り録音したのが、この『Puertos De Alternativa』だ。
「もう一つの港」を意味するアルバムタイトルは、アグスティンが特に水に抱く愛着を反映している。彼は、自分の好きな音楽の多くが川や海に近い場所で生まれたものだと指摘し、「水辺の流れはギター演奏に確実に影響を与えている」と付け加える。「Luces de Valeria」や「Preparativos Maritimos」といったアグスティンの最も独創的で美しい作品の数々に加え、バーデン・パウエルの「Pequeño Vals」や「O Cego Aderaldo (Nordeste...)」、そして長年のコラボレーターであるギリェルモ・ロイターの「Tema Barroco」まで。そのスタイルは南米の土壌に深く根ざし、エイトル・ヴィラ=ロボス、ガロート、バーデン・パウエルといったブラジルのギター巨匠たちから明確なインスピレーションを得ているのもまた事実だ。しかし、曲が進むにつれて、旅の感覚が広がり、ノルウェーの氷河の透き通るような美しさからラプラタ川の穏やかな流れまで、新たな風景と地平線を想起させる。
ブラジルのギター音楽とも異なる、唯一無二のオリジナリティ。プライベートプレスということも重なり、オリジナル盤はアグスティンのレコードのなかでももっとも高額で取引されていただけに、このたびの再発は嬉しい限りだ。
https://apereyralucena.bandcamp.com/album/puertos-de-alternativa-2
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