ティン・パン・アレーから初期ブリティッシュ・フォークまでを自らの声とソングライティングで解釈してきたコロラド出身のシンガー/ソングライターJOSEPHINE FOSTER。シカゴでの活動期にはBORN HELLERやTHE CHILDREN'S HOURなどのプロジェクトにも参加し、後年はスペインを拠点にVITOR HERREROらと共にヨーロッパのフォーク・レパートリーを掘り下げてきた、現代USフォークを代表する存在です。
本作は2013年の楽曲"THE SUM OF US ALL"を主題にした長尺の二つのスタディを収めた10インチ作品で、JOSEPHINE FOSTERが2012年にモロッコとスペインで行った録音から構成されています。やがてFIRE RECORDSから2021年にリリースされたソロ作『GODMOTHER』のソング・サイクルへと取り込まれていく以前の段階にあたる素材であり、高名なジャジューカ村でのライヴ録音と、GYDA VALTYSDOTTIRが録音とミックスを担ったベヘール・デ・ラ・フロンテーラでのスタジオ録音という二つの現場が、JOSEPHINE FOSTERの歌とアンサンブルのあり方を対照的に映し出しています。
SIDE Aでは、ジャジューカのミュージシャンとの共演による打楽器と持続音のうねりの上で、JOSEPHINE FOSTERの歌声がロングトーンと微細なビブラートを繰り返す"THE SUM OF US ALL JOUJOUKA"が展開し、モーダルなフレーズと反復の揺らぎがトランス色の強いフォーク・アンサンブルとして響きます。SIDE Bの"THE SUM OF US ALL VEJER"では、GYDA VALTYSDOTTIRによるチェロやストリングスと、スペイン南部の空気を感じさせるギターや鍵盤が加わり、同じメロディをもとにしながらも静かな室内楽フォークとして長い時間軸を進んでいきます。モロッコの山村とスペイン・アンダルシア地方の風土が、同一楽曲の中で異なるリズムと響き方を生み出している点も印象的です。
アンダーグラウンド・フォークの文脈と地理的な広がりを同時に感じさせる内容で、コロラドからモロッコ、スペインへと渡り歩いてきたJOSEPHINE FOSTERの歌の可能性を、二つの長尺テイクで丁寧に示す一枚になっています。
https://www.juno.co.uk/player-embed/SF1115469-01-01-01.mp3
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