世界最古のミニマル・ミュージック。アフリカ・ナイル川流域に伝わる踊りと太鼓と角笛のアンサンブル=アグワラを克明に録音した奇跡の一枚。
スティーブ・ライヒやフィリップ・グラスといった現代音楽家が探求したミニマル・ミュージック。その大きな参照元の一つにアフリカ大陸の民族音楽がある。反復と差異の交感によって演じられるそれらの音楽は、1950~60年代にクラシックの領域から積極的に顧みられるようになり、後にアフロビートなどを通じてポピュラー・ミュージック全体にも波及していく。
さしづめコンゴ民主共和国~南スーダン~ウガンダといったナイル川周辺のアルル(Alur)によって演じられる踊りと太鼓と角笛のアンサンブル=アグワラは、まさにミニマル・ミュージックのオリジンとして再訪するべき儀礼文化のひとつだ。長さが2メートルにも及ぶものもある長い木製の角笛は牛革で巻かれ、サイズの異なる8本の筒が演者によって奏でられる。ひとりの奏者がメロディを担うことはない。太鼓の反復と踊り手の声によってさらにリズムは重ねられ、サイケデリックに展開してくのだ。
今回Nyege Nyege Tapesが録音したのはクチウィニー・シアター・インダストリーという一団による演奏。アンサンブルのリーダーであり、活動する学校の校長でもあるコズミック・ウォモラ・オコウンの勤務する学校の近く、一本の木の下で録音した『Luo Sound of the Alur』は、記録資料であると同時に、没入型の音響作品でもある。マイクは木の枝に吊るされ、空へ向かって放たれる周波数まで捉えようとしたとのこと。ポリリズム/ポリフォニーの応酬が、まるでデトロイト・テクノのようにリニアな進行でもって転がっていく。最もプリミティブなダンス・ミュージックのひとつであることは間違いない、これはぜひ。
https://nyegenyegetapes.bandcamp.com/album/luo-sound-of-the-alur
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