イチベレ・ズヴァルギ。1960年代から音楽キャリアをスタートし、1977年からエルメート・パスコアルのグループの一員となり、現在に至るまでエルメートのブレーンとして活動する作編曲家 / ベーシストである。エルメートの数多くの作品での録音はもちろん、自身のグループでもこれまでにイチベレ・ズヴァルギ・ファミリア名義で3枚、グループ名義や単独名義で2枚、フィンランドのオーケストラとの録音で1枚、CDをリリース。そのどれもが高く評価され、いまだに名盤として聴き継がれている。また後進の音楽家の指導にもあたっていて、ジョアナ・ケイロスやベルナルド・ハモス、カロル・ペネージといった今注目を集めつつあるブラジルの器楽奏者たちもイチベレ学級の生徒であった経歴を持つ。2017年2018年とエルメート・グループの一員として来日した際もワークショップを開催し好評を博すなど、その影響力は単にリスナーにとどまらず、世界中のミュージシャンにまで及んでいる。
そんなイチベレ・ズヴァルギの新作は、2017年にエルメートがグループとして15年ぶりに新譜を制作したSESCレーベルからのリリース。ここ数年、ジョアン・ドナートやアイアート・モレイラ、アルトゥール・ヴェロカイといったレジェンドの新譜をリリースしていることで注目のレーベルだ。
メンバーは息子でありエルメート・パスコアル・グループの一員でもあるドラムのアジュリナ・ズヴァルギ、ピアニストでベースも弾くヒカルド・サー・ヘストンなど「ファミリア」名義時代から活動をともにする面々に、ここ数年で知り合った若く才能溢れるミュージシャンを加えた編成。エルメート直系ともいえる変拍子と不協和音、キメが連続する難解極まりない楽曲を演奏するのは並大抵ではないが、それをいとも簡単にやってのける精鋭たちによる一糸乱れぬアンサンブルは痛快の極み。またエルメート・グループの 『NO MUNDO DOS SOMS』 同様に、公共サービス系レーベルであるSESCからのリリースになったことで、これまで以上にイチベレの音楽性が明快に示されている点も本作の特徴だろう。濃厚かつスリリングな楽曲がたっぷり詰まった全14曲。エルメート・パスコアルはもちろん、すべての音楽ファンに聴いてもらいたいイチベレのキャリアにおける最高傑作の誕生だ。
https://youtu.be/Aub1ARulzLI
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