2016年に行われたショーロ・フェスティバルがきっかけで知り合ったという若くしてブラジルを代表する器楽奏者の二人。出会ったときはお互いの音楽について全く知らなかったものの、すぐに意気投合。そのショーロ・フェスのディレクターであるカプーチョの誘いで、エルメートの生誕80周年を祝うプログラムに誘われ、さらに親交を深めたのだという。そんな二人にとっての 1st アルバムが本作『CUMPLICIDADE』である。 レパートリーは二人のオリジナルをはじめエルメート、カルトーラ、ドミンギーニョス&アナスタシア、ドリ・カイミ&パウロ・セーザル・ピニェイロ、ギンガ&パウロ・セーザル・ピニェイロ、トニーニョ・オルタ、アミルトン・ヂ・オランダまでと実に多彩。近年主にジャズ方面から注目されるペドロ・マルチンスだが、そのルーツには豊饒なブラジル音楽の文化がしっかりと根付いていることがわかるレパートリーである。一方で例えばカルトーラの名曲 "Desfigurado" では固定概念にとらわれない解釈で聴く者をあっと驚かせてくれたりもする。そんな作品に華を添えるゲストもモニカ・サルマーゾ、トニーニョ・オルタ、チアゴ・ハベーロと申し分なし。ブラジリアン・ジャズ、ブラジル器楽音楽の魅力がたっぷりと凝縮された一枚と言えるだろう。 https://youtu.be/wXHavg3HvTY https://youtu.be/MUZpEVDzXbw