
昨年の来日公演も記憶に新しいブラジル・ミナスが誇る世界的ギタリスト、トニーニョ・オルタ。2019年の『ベロ・オリゾンチ』以来となる待望の新作はブラジリアン・ミュージックに造詣が深いイタリア人シンガー、バーバラ・カッシーニとの双頭名義作だ。作品のテーマはトニーニョの盟友でもあるノヴェーリの楽曲集。ブラジル北東部ペルナンブーコ出身ながら70年代にミナス派と親交を温め、かの名作『街角クラブ』にも参加。1973年にはトニーニョ・オルタ、ダニーロ・カイミ、ベト・ゲヂスとともに共同名義の作品をリリース。その後フランスに活動拠点を移し、ナナ・ヴァスコンセロス、ネルソン・アンジェロとともに SARAVAH レーベルよりアルバムをリリースするなど、作品数こそ多くないものの、才能あふれるシンガー・ソングライターとしてブラジル音楽ファンにはおなじみの存在だ。
選ばれた楽曲はノヴェーリ単独で作曲したものはもちろん、マルコス&パウロ・セルジオ・ヴァーリとの "Pelas ruas do Recife"、ジョアン・ド・ヴァリとの "Canto suave" 、ミルトン・ナシメント&ネルソン・アンジェロとの "Reis e rainhas do Maracatu" などの共作曲も含む全15曲。どれもブラジルの文化風俗に根差した素朴で味わい深いメロディと、たしかに息づく多彩なリズムが魅力である。そんな楽曲に豊穣でエレガントなトーンを加えるバーバラとトニーニョ。とりわけ、いつになくシンプルなバッキングに徹するトニーニョのギターワークには、聴くほどに引き込まれること必至である。
ミナス派きっての異彩へオマージュを捧げるためにシコ・ブアルキ、ダニーロ・カイミ、エドゥ・ロボ、フランシス・ハイミ、ジョイス、ネルソン・アンジェロほかMPBを支えてきた名手達もゲスト参加。ブラジル音楽、ミナス音楽の粋を存分に楽しめる一枚と言えるだろう。
Barbara CASINI – Vocals
Toninho HORTA – Vocals and Violão
Chico BUARQUE- Vocals
Danilo CAYMMI – Vocals
Edu LOBO – Vocals
Francis HIME – Piano
Giuseppe FORNAROLI – Violão 7 Cordas
ILLESI – Vocals
Joyce MORENO – Vocals and Violão
Luiz Claudio RAMOS – Violão
Nelson ANGELO – Vocals and Violão
https://youtu.be/mMRmHmZlLx4
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