アストル・ピアソラ、ガトー・バルビエリ、ロドルフォ・アルチョウロンといったアーティストと活動を共にしてきたアルゼンチン屈指のベーシスト、アダルベルト・セバスコが MELOPEA レーベルに残したバレアリック・ジャズの大人気盤(1988)が待望の世界初復刻。アルゼンチン・ジャズ/プログレの最重要ギタリスト、ロドルフォ・アルチョウロンのプロジェクト「Sanata y Clarificación」に参加していたアダルベルト・セバスコが、そのセッションの過程でリト・ネビアと出会ったのが本作の始まりだ。ネビアのレーベル MELOPEA に届いたセバスコのデモテープにすっかり心を掴まれてしまったネビアはフルアルバムの録音を決心。セバスコのフュージョン・ジャズにブラジル音楽のテイスト、さらにはエレクトロニックな要素を加えることを提案し、本作が録音された。
電化小鳥と題された冒頭曲に始まり、バンドネオンの響きとインダストリアルな響きのエレクトリック・ギターによるアンサンブルも印象的な "Los Que Quedaron"、エドゥ・ロボ名曲 "Zanzibar" の旋律を浮遊感溢れるバレアリック・ジャズに発展させたリト・ネビア参加曲 "Reencuentros No2"、テクニカルなベースのフレーズとルベン・ラダによる驚異的なパーカッション、グスタボ・ベルガリの表現力溢れるトランペットが濃密に絡み合う "Reencunetros Tristes y Alegres" ...。その内容は、まるでピアソラ以降のプログレッシブ・タンゴから、アルゼンチンのミュージカル・カルチャーをモダナイズしたムーヴメント「プロジェクシオン・フォルクロリカ」、ミルトン・ナシメントらミナス音楽、さらにはウェザー・リポートやパット・メセニー・グループ(とそこに参加したペドロ・アスナール)らによるフュージョン・ジャズといった様々な動きを、一人のベーシストが独自に発展させたかのような驚異的なもの。また現代の観点でいえば、モノ・フォンタナらアルゼンチン音響派、カルロス・アギーレやアカ・セカ・トリオらネオ・フォルクローレ・ムーヴメントのルーツとしても聴くことができるだろう。その浮遊感溢れるバレアリック・テイスト、エレクトロニクスと生楽器の有機的なアンサンブルといい、今こそ聴かれるべきアルゼンチン・ジャズ史に残る大名盤である。
https://vampisoul.bandcamp.com/album/p-jaros-el-ctricos
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