ときは1970年代初頭、当時のギニアビサウは独立戦争の真っただ中にあった。そんななかジョゼ・カルロス・シュワルツとコビアナ・ジャズは、伝統的な音楽ジャンルであるグンベを復活させ、ギニアビサウのクレオール語で歌うことで音楽的なアイデンティティを確立。スーパー・ママ・ジョンボをはじめとするギネアビサウのバンドと人々に大きな影響を与えていった。同時にその音楽と歌詞の政治的な精神を通じて、社会的および政治的にも重要な役割を果たしていくことになる。ジョゼ・カルロスはゲリラ活動に関与するようになり、投獄されてしまった。1974年4月25日にポルトガル革命が起きると脱植民地化が加速。その年中にギニアビサウは主権国家として独立がの承認されると、ジョゼ・カルロスも解放された。
独立闘争の中心人物であったジョゼ・カルロスは、大衆から大きな支持を獲得。民主主義体制への移行において重要な役割を果たす一方で歯に衣着せぬ彼の批判は、次第に政治エリート側にとって目障りなものになっていく。支持者との切り離しをもくろむ政府首脳により、ジョゼ・カルロスはキューバの大使館に赴任させられることになるのだが、ハバナへ向かう飛行機が墜落。あまりに悲劇的なかたちで27歳という短い生涯を閉じることになってしまった。
彼の死後、オーケストラ・バオバブ、レッタ・ムブール、ミリアム・マケバといったアフリカの巨人が彼の音楽と詞を評価したこともあり、ギニアビサウの歴史において永続的な地位を獲得したジョゼ・カルロス。一方で彼の音楽と功績は、ギネアビサウやそのディアスポラ以外では不当ともいえるほどに知られていない。インターナショナルにリリースされるこのコンピレーションはそんな彼の功績をたたえるべく、シュワルツ・ファミリーとのパートナーシップにより実現。グンベをベースにしたアップリフティングなリズムと、哀愁漂うメロディ、緊密なバンドアンサンブルがもたらす熱く迸るようなエネルギーは多くの人の胸を打つことだろう。
https://hotmule.bandcamp.com/album/lua-ki-di-nos
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