アフロ・パンク・バンド、メタ・メタの一員としても活躍する現代サンパウロ・インディーの最重要歌手、ジュサラ・マルサルが発表した2014年以来となる新作。
耳をつんざくようなノイズ、古いレコードのサンプリング音、ヴィオラやプリペアード・ピアノの倍音、換骨奪胎されたブレーガやトラップのビート。デトロイトのラッパー、ダニー・ブラウンが 『Atrocity Exhibition』(16年)で示した、予測不可能なビートに詞を乗せる手法に大きくインスパイアされたとのことで、今にもバラバラになりそうな要素が混在する作品となったが、それらが離散せず、強烈な音塊となって聴く者に迫るのは、盟友キコ・ディヌッシとともに長い年月をかけ綿密にリサーチしてきたことを構築し結実させているからなのだろう。斬新でありながら王道ともいえる手法で、濃密なアフロ・ブラジル性を現代的に描いてみせた、近年まれにみる傑作だ。
https://jucaramarcal.bandcamp.com/album/delta-est-cio-blues
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