カシン、モレーノ・ヴェローゾとともに+2として活躍。21世紀のブラジル音楽シーンを牽引してきたプロデューサー/パーカッショニストの待望となる新作は、カエターノ・ヴェローゾのセー・バンドでの活躍で知られるヒカルド・ヂアス・ゴメスとのコラボレーション。
高名なサンバのシンガー・ソングライターであるイゴール・ランセロッチを父に持つドメニコにとって、サンバは彼の血の中を流れているものだが、そんなドメニコのホームスタジオにヒカルドが手配したロシア製のモジュラーシンセが到着。そのシンセを使ってサンバを演奏するという実験から、本作はスタートした。いざ始めてみると、ガンザ、タンボリン、ヘピーキ、スルドどいったサンバで用いられる典型的な打楽器とシンセサイザーは似たサウンドを持っていることに二人は気付いたのだという。さらにボサノヴァ以前に演奏されていた無限のグルーヴを備えた、サンバのルーツともいえる音楽ともつながりを見出した。
ドメニコはそれを「幾何学的に構成された、サンバ・ヂ・クラーベ」と表現する。低音とマントラのようなヴォーカルが響き渡る「Ere」に始まり、ジョアン・ジルベルト「Um Abraço no Bonfá」へのオマージュ「Um abraço no Faust」(ファウストへの抱擁)、グリッチのなかからサンバが立ち上がる「Diga」、ギターのメロディに物憂げなシンセがオブリをつける「Tá Brabo」、タンバトリオへのオマージュ「Nada Sera de Outra Maneira」などなど。 ドメニコの遊び心にあふれた歌詞とサンバに根差したリズミカルなリリックと、ヒカルドのアヴァンギャルドな手法/テクスチャーが結実した衝撃の内容は、トロピカリアの鬼才トン・ゼーが残した『サンバ解体新書』、その現代版とでもいえるだろう。
https://domenico2.bandcamp.com/album/sramba
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