『Expreso Ritmico』はキューバ独特のアイデンティティを保ちながらも、ジャズ・ファンク、ディスコ、ライブラリーミュージックからインスピレーションを得るなど、当時のキューバ音楽の中でもアメリカ/西洋の影響を色濃く残した作品の一つとして知られる作品だ。ディレクション、作詞作曲、編曲は、キーボード兼ドラマーのリカルド・エディ・マルティネスが手掛けている。先に〈Mr.Bongo〉からリイシューされたロス・レジェス73 (Los Reyes 73)でも編曲を務めたマルティネスは、のちにグロリア・エステファン、ホセ・フェリシアーノ、チック・コリアなど、世界的に活躍するミュージシャンやシンガーと共演する傍ら、アメリカでサウンドエンジニアとしても活躍したことで知られる人物だ。
プロデュースは当時多くの〈Areito〉レーベル作品を手掛けたアドルフォ・ピチャルド(Adolfo Pichardo)が担当。オープニングのタイトルトラックは、ゆったりとした軽快なラテン・ディスコ・ファンクのヴァイブが漂い、そこから素晴らしいアフロ・キューバン・サウンドへと展開する珠玉の一曲。「Que La Tristeza Se Fue」は、ジャザノヴァが2008年にリリースした「Look What You Are Doing To Me」で巧みにサンプリング・ループされている。他にも「Tambo Iya」はアフロ・ファンクでソウル・マコッサ風のグルーヴを奏で、「Te Quedas」「Mi Conga Es La Que Es」「La 132」といった曲は、重厚で脈打つラテン・ファンク・サウンドで展開される。官能的なサイケ・ファンク「Este Tumbao」に足を踏み入れれば、ジャンルを融合し、変幻自在に変化するスペーシーな旅へと誘われるだろう。
時代を先取りしたレコード『Expreso Ritmico』は、西洋の影響とキューバのセンスが融合した、他に類を見ない傑作アルバムと言えるだろう。オリジナルのキューバ製ジャケットデザインを再現したレプリカ仕様での再発となる。
https://youtube.com/playlist?list=PLC_VI5DMxLei4ZJkJzXdyLGqskKh8DUpP&si=InkUik8Xl_b4r6a7
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