新作のタイトルは『Awakening』。これまでの自身の音楽的冒険やその過程における出会いをダイレクトに反映させてきたBognárだが、「覚醒」を意味する本作も、ベルリンへの移住、結婚・新たな家族の誕生における喜び、その反面訪れる死別への恐れに対する自問といった、近況がもたらした新たなビジョンを反映したもの。時間や地理的なボーダーを超越する音楽の力を深く理解し、団結・対話・内省のメッセージを伝える、壮大な2枚組レコ―ドだ。
多重録音を避け、1STテイクもしくは2NDテイクで即興的に録音された楽曲が多くを占めている。先行シングル「Destruction Everywhere」「Menidaso」は、彼の音楽性を象徴するようなアフロビート×スピリチュアルジャズ。世界各地のルーツミュージックにも深く関わりつつ、DJとしても活躍するなど、クラブミュージック的視点も併せ持つBognárらしい、キラーチューンと言えるだろう。かと思えば自身のルーツへと向き合うハンガリー民謡のリリカルなカバー「Gyaszba Borult Isten Csillagvara」、さらには彼のヒーローであるジェイディラからの影響をダイレクトに反映した「Shining」、そしてサン・ラ・アーケストラのメンバーもゲスト参加した壮大なスピリチュアルジャズ「Sun Is Away」まで。ハンガリー、ドイツ、ガーナ、オーストラリアと世界各地から集結した名うてのミュージシャンと奏でられるアンサンブルは、Bognárがこれまで影響を受けてきた音楽をコルトレーン風ともいえるモーダルなインプロビゼーションによって統合するような圧巻の内容だ。
なお本作はエリカバドゥやディアンジェロらとの仕事で知られるラッセル・エレヴァード(本作でも1曲ミキシングを担当)や、オーディオテクニカ社他が共同で主催するアナログ・ファンデーション財団とのパートナーシップにより企画制作され、ベルリンのブルワリースタジオで録音。ロンドンの名門カーヴェリースタジオのフランク・メリットによりマスタリングされているとのこと。前作『Laroyê』、そしてBognár名義で録音した作品もレコードは即完売、現在高騰しているだけに、本作もお早めに
https://abasemusic.bandcamp.com/album/awakening
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