1950 年代からプロとして活動し、今や70年のキャリアを持つ今田勝。ハードバップからフュージョンまで第一線で駆け抜け、リーダー作は実に30タイトルを超える。名実ともに日本を代表するピアニストのひとりである。力強くもふくよかなタッチから生まれる、聴く者の感情を心地よく揺さぶるサウンド。その原点とも言えるのがファースト・アルバムである本作『Maki』だ。トリオ、もしくはワン・ホーン・カルテットによる演奏は、あまりにも瑞々しく美しい。丁寧に紡がれる「Autumn Leaves」、躍動感のある「On Green Dolphin Street」、野心作とも言える「Gad」、愛娘に捧げられたバラード「Maki」、ホットとクールが同居する「Sea Horse」。スタンダードからオリジナルまで、全編で存分にその才を発揮している。ビクター<日本のジャズ>シリーズの1枚としてリリースされた、紛うことなきマスターピースである。
text by 尾川雄介 (UNIVERSOUNDS / DEEP JAZZ REALITY)
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